摂食障害は病気なのか



   摂食障害は大きく二つに分けると「神経性食欲不振症」(拒食症),「神経性大食症」
   (過食症)とよばれる病気です。このほかに非定型摂食障害(特定不能の摂食障害)
   というものもあります。 
   
   →摂食障害の診断基準


   異常な食行動そのものが病気というよりも、
心の病が行動として現れたものなのです。


   典型的な摂食障害の症状がでていても、自分が病気であると自覚している人としてい
   ない人がいます。


   
「過食症」のばあいは病気がすすむにつれて症状がはげしくなることが多いので、本
   人は非常につらくなり「これって病気?だよね・・・」と自覚してくることがあります。


   しかし過食症であっても外見上かならずしもガリガリにやせているという訳ではなく
   むしろ標準体重を保っているという方も多いので、やっとの思いでだれかに相談をし
   たとしても、「それはあなたの意思の問題なんじゃない?」と理解してもらえず辛い
   思いをすることがあります。


   反対に
「拒食症」の場合は体重がどんどんと落ちているにもかかわらず当の本人は
   「私病気なんかじゃないわよ。このほうが気分がいいだけなの」とあまり自覚がない
   ことが多く、それに対して周囲の人は「このままじゃ大変だ!」となるのです。


                     ◆


   これら「拒食症」「過食症」はそれぞれまったく逆の病気のように思われがちです
   が、実際には拒食と過食をくりかえすというパターンが多くみられます。


   また、自分がそんな病気だなんて思いたくないという方もいらっしゃいます。
   「食べる/食べない」という個人的な行動を「病気」という言葉でとらえられること
   に抵抗もあるでしょうし、確かによい面とわるい面があると思います。


   『病気』という言葉をつかわないと自分の人格や考え方などに問題があるように誤解
   されるかもしれない。かといって「病気」という言葉を使うとまるで精神病のように
   思われてしまいそうで抵抗がある・・・というものです。  


   いずれにしても、病気である/ないにかかわらず「最近、こころと体のバランスが崩れ
   ている気がするな・・・」と感じるようであれば、それはあなたのこころと身体からの
   
『大切なシグナル』なのです。



   →
過食症ステージ別症状例



摂食障害過食症専門カウンセリング~ライフシード
    
    
過食症(摂食障害)になる「きっかけ」 



   
「過食症(摂食障害)」になってしまう「きっかけ」は人それぞれ異なりますが、
   いちばん多いのは、ちょっと
ダイエットを始めたはずだったのに気がついたらなって
   しまっていた、というものでしょうか。


   ただし、あくまでも摂食障害になる「きっかけ」であって原因ではありません。
   軽いダイエットであったはずのものを超えてしまった理由は本当に人さまざまです。


 
     ■
進学・引越し・就職・昇進・結婚など環境の変化によるもの

     ■
病気・人間関係・恋愛問題・仕事・妊娠などからくる精神的ストレス

     
抑圧していた家庭問題や心の傷がなんらかのきっかけで浮上してしまったとき
   
     ■
だれかに「太ってるね」などとからかわれた etc.



   これらのように、本人が意識するしないにかかわらず何らかのストレスがかかった時
   に陥りやすいのです。


   きっかけになる『事柄』だけをきいた場合、どうしてそれくらいのことでなっちゃう
   の?と思ってしまうかもしれませんが、背景には非常に複雑なものが存在しています。


   「言葉にすると、まあ、そんなかんじなんだけどね・・・」と本人もよくわからない
   ことも多いのです。



  
  過食症(摂食障害)になる原因




   なぜ
「過食症」になってしまうのか。どうして身体をいためつけてまで異常な食
   行動をとってしまうのか。これについてはいまだに解明されていないのが現状です。


   社会的に認知されるようになってからまだ年月が浅い病気であるうえに、背景には
   非常に多くの要素が複雑に絡みあっているのです。


   いままでの仮説の中には、その原因が幼い頃の
親子関係(おもに母親との関係)に
   あるというものや、成熟した女性になりたくない願望などがありました。
   これらは大雑把にいってしまえば幼児期に問題があったため大人になりきれない、
   または母親とおなじような女性になりたくないなどと解釈するものでした。


   しかし、摂食障害の主原因をそれだけにもとめるという考え方は正しくありません
   この仮説により、多くの患者さんやご家族の方がつらい思いをなさっているのでは
   ないでしょうか。


   これまでの子供の育て方や、幼いときの両親とのかかわり方を振り返って考えるの
   は時として大切なことではありますが、「摂食障害になったのは母親の育て方が悪
   かったからだ」と表面的に解釈してしまうのは誤りであるとともに危険なことです。


                     ◆


   現在、さまざまな仮説があり原因が研究されていますが、その中のひとつにその人
   のパーソナリティ(この場合、物事の捉えかた・行動の仕方のパターンなど)が大
   きく関係しているという説があります。


   さらにこのパーソナリティというものも「遺伝的」な影響をうけるものと「環境的」
   な影響の強いものに分けられ、それら
いくつかの因子が組み合わされることにより
   その人の性格が形成されているといわれます。


   これらの要素のほか、人間関係をつくりあげる力がまだ育っていなかったり、自分
   なりの価値観が確立されていないときなどに強いストレスがかかると、それらを受
   けとめることができず自己が傷つき壊れてしまうことがあげられます。


   また、本人は自立をする力やコミュニケーション能力が潜在的にあるにもかかわら
   ず、家庭環境などによってそれが阻害されているため発揮できず、エネルギーが内
   に向かってしまうなども考えられます。


   いずれにしても、摂食障害の
原因はひとつに特定できるものではなく、様々な
   要素から作り上げられた性格、社会的背景、生活環境、個人的体験、生育歴などが
   複雑に関係しているのです。





    何をどのくらい食べるのか 



   ほとんどの場合、それは一般的に考えられる食事量をはるかに超えるものです。


   たとえば、菓子パン・アイスクリーム・ケーキ・インスタントラーメン・袋菓子、炭酸飲料など、通常の何倍
   もの量を一気に食べるのです。


   もともと好きな食べ物だけを過食する人もあれば、日ごろ避けている高カロリー食品
   をここぞとばかりに食べる人、ある特定の食べ物だけを過食するなど人によって内容
   はちがいます。


   一般的には、炭水化物や脂肪・糖分が多く含まれるものが多いようです。ジュースや
   炭酸飲料など水分を多くとるのは嘔吐しやすくするためです。


   どうせ吐いてしまうのだし太りたくないのであれば、コンニャクと水でも飲んでいれ
   ばいいんじゃないの?と思われる方もいるかもしれませんがそれではダメなのです。


   満腹しているかどうかをきめるのは脳であって、コンニャクなどでお腹は膨れても脳
   は「もう満足した」と認識しません。


   
空腹だから食べるわけではないのです。


   実際は、食べる量がどのくらい多いか少ないかということよりも、毎日の生活が「食
   べることに振り回されているかどうか」ということがポイントになります。





    普通のダイエットとどこが違うのか



   私たち多くの人が気軽に
ダイエットを試みたことがあると思います。
   けれども、ダイエットをしたその後の行動はじつに人それぞれです。



    ■
頑張ってみたけど、やっぱり食べたくなってダイエットをあきらめた
   
   
 目標体重までは落とせたけれど、結局そのあと続かなくなってやめてしまった
   
    ■
 体重を落とす段階でライフスタイルに大きな変化があり、ダイエットを健康管理
     として取り組むことができるようになった人



   これらに共通するのは、どこかの段階であきらめたり納得をして、心の区切りをつけ
   ているということです。


   一方
「摂食障害」に陥る場合はダイエットに取り組むことそのものがストレスとなっ
   て逆に過食をするようになったり、一時的にはダイエットに成功するもののその後、
   激しく過食・嘔吐をしてしまうなどの悪循環に陥ります。


   また「体重は落ちているけれどもっと痩せたい」「まだまだ太っているような気がす
   る」などどんどんとエスカレートしてしまう傾向にあります。


   ただ、初期の段階では普通のダイエットと区別がつきにくいことが多く、症状のすす
   んだ拒食症の場合は体重が激減しているので周りの人も気づきますが、それ以外の場
   合は見た目ではよくわからないことも多いのです。


   また、本人が「これは普通のダイエットだから・・・」と摂食障害であることを自覚して
   いない/認めたくないというケースもあります。




  
           
          
           
        
(参考) 「やせ願望の精神病理」水島広子 著   「摂食障害治療サポートガイドブック」西園 文 著   
HOME
HOME
           
All copyrights reserved (C) 2006 LIFESEED - Ikuko Takeuchi